株主責任

株主責任とは、株式会社に出資した株主(投資家)の出資金に対する責任(有限責任)。

株主は、出資した企業が破綻したり問題を起こしても(出資分以上の)法的な責任を問われることはないが、株価の変動により出資した資金が目減りして損失を被ったり株式が無価値になると全額を失うこととなる。

株主責任は投資額の範囲内とする株主有限責任の原則

会社が破綻したり増資に追い込まれたときに、株価や株式の本質的価値(流動性がなければ株価に意味はなくなる)の変動を通して株主に生じる損失が、株主責任と呼ばれている。

損失を被ること自体が「株主(出資者)としての責任を取る」ことになるので、株主責任が生じても直接的に損害賠償や債務返済の義務を負うなど「新たな負担」を求められることはない(株主有限責任の原則)。

会社の経営が行き詰ったり破綻したときに株主責任を問われると、株主は既存の株式が無価値とされて出資分の全額を失ったり、大規模な増資による希薄化から株価が暴落することで損失をこうむることになる。債務超過に陥った破綻企業を公的な資金や債権放棄で救済する際は、何らかの形で株主責任が問われることが多い。

会社の清算時には、株主の権利はもっとも弱くなる(会社に残っている資産は、従業員の給料や債務返済に優先的に回される)ため、「危ない」会社への投資は慎重に検討する必要がある。