豪ドルが2010年FX取引高トップに

東京金融取引所の発表によると、昨年2010年のくりっく365(市場取引型のFX、為替証拠金取引)で豪ドルが取引高トップになったようです。前年比2倍近い伸びのようで、高金利と資源高を背景に豪ドル人気が沸騰したのでしょうか。

FXで新たにレバレッジ(取引に必要な証拠金の割合)規制が行われるようになって、高いレバレッジをかけて投機的な「一発勝負」に出にくくなったことも、「高金利通貨の豪ドル保有によるスワップ収益」を狙う中長期投資を増やす要因になったのかもしれませんね。比較的オーストラリア経済が好調で資源国の豪ドルなら、当面保有するのに不安要因が少ない状況でしたから。

ただ、今年は新興国の金融引き締めや資源価格の動向次第では、「逆回転」が起こる可能性もありそう。アメリカの金融緩和で投資家の資金が資源や豪ドルに流れている流れが止まれば、高金利だけで為替相場を支えるのは難しくなりますから。

FXは比較的取引単位が大きいので、長期投資のつもりでも損失の「許容範囲」をしっかり決めておかないとずるずる為替の評価損が膨らんで証拠金を食いつぶすことにもなりかねません。豪ドルの高金利は、為替リスクの「対価」である、という点に注意しながら、どれだけのリスクと収益を追い求めるか、投資戦略を練りたいところ。