FX業者の選び方

レバレッジ規制の影響もあり一時に比べれば落ち着いてきたとはいえ、多数のFX業者が入り乱れて広告を打ち合う日本のFX市場。「初めてのFX」でお付き合いする業者選びでは、どんな点に注目すればよいのでしょうか。

FX業者のスプレッド(為替手数料)競争 に惑わされない

FX業者の広告では「手数料(スプレッド)競争」が盛んです。FXは外国為替取引なので、通貨間の売買にはスプレッド(売買価格差)が設定され、それがFX業者の収入となります。

FXにおけるスプレッドは、米ドルやユーロなら1ドル/1ユーロ数銭。他の外貨建て金融商品(特に外貨預金)に比べ、文字通り「桁違い」に低いのが特長です。最近は、米ドル/円で0.3銭の争いになっている場合も……

広告では1銭単位で競われるスプレッドですが、実際にはここまでくるとFX業者間のスプレッドの差は「誤差」みたいな水準なんですよね。もちろん取引コストは低い方が良いので、スプレッドが小さければ小さいほど良いわけですが、FX業者を選ぶ際には他の要素に注目した方が現実的でしょう。

取引単位が「一度に動かす金額」を決める

その「他の要素」の第一は、取引単位です。取引単位とは、売買を行う際の注文単位で、たとえば取引単位が1000通貨単位の業者で米ドルを取引する場合は、「1000米ドル買い」など1000ドル単位で売買を行います。つまり、100ドル、200ドルといった取引単位以下での取引はできないわけです。

基本的に通貨単位は小さければ小さいほど取引の幅が広がります。取引単位が小さければ、「市場の動向を見て少しずつ売買する」ことができますからね。逆に、取引単位が大きいと「まとめ買い」しかできないので、毎回「真剣勝負」を強いられ為替リスクが拡大されるわけです。

現在では、多くのFX業者で1000通貨単位の取引を扱っていますが、中には上級者向けと称して10000通貨単位を基本とするコースを設定している場合もあるので、注意が必要でしょう。上級者はむしろリスク管理を徹底するために取引単位を小さくしたいと思うはずですし、取引単位が大きいというのは「制約」以外の何ものでもないのでおかしな話な気もするのですが……

逆に100通貨単位から売買できるFX業者もあって、こちらは気軽に始められまた細かな売買で手堅く利益を確保できるのが魅力です。

通貨の「金利差」を積み上げるスワップポイント

FX取引の低コスト(低スプレッド)に注目し、外貨預金感覚で金利を稼ぎたい人にとっては、スワップポイントも注目でしょうか。ただ、FXにおけるスワップポイントは厳密には「外貨の金利」ではありません。あくまでも「購入した通貨と購入するために借りた通貨の金利差」を基本にFX業者が独自に設定する追加料金です。

現在のように、世界的な金融緩和局面では、各通貨の金利差も縮小し、円売り取引ですらマイナスのスワップポイントが付されることもある点には注意が必要ですね。

その他、外出先で取引する機会が多くなりそうなら、スマートフォンや携帯などモバイル対応も確認しましょう。普段外出時に使うスマートフォンのWebブラウザで扱いやすい取引画面になっているか、あるいは専用のAndroidアプリのような形で高度な取引を行うソフトが提供されていれば、それも利用価値があるかもしれません。

一部の業者では自動取引システムを売りにしていますが、この種の自動取引サービスを使うなら、機能以前に「性能」「安定性」に注目したいところですね。激しく相場が動く場面で、まともに動かなかったり信じられないような「想定外」の取引をされたんじゃたまりませんから。