為替市場では、値動きが極端に狭まる「持ち合い相場」が頻出します。 特に、朝方や午後の早い時間帯など市場参加者が少ない閑散相場では、少し値動きがあってもすぐに値幅が狭まりながら持ち合い状態に入る「三角持ち合い」になることが多いですね。 FX取引会社が提供するチャートを見ていると、延々と数銭の上下動を繰り返す「つまらない」相場にいらいらさせられることも多いのではないでしょうか。こうした相場で利益を上げようとすれば、スプレッドの小さいFXシステムでレバレッジを大きく効かせて「小さなボックス圏の利益」を狙うしかありません。 5銭の値動きを取れれば、1万通貨単位でも500円程度の利益になりますからね。ただ、持ち合い相場でそうした数銭の利益を狙うポジションの取り方は、意外に高リスクかもしれません。 まず、持ち合い相場では、値幅こそ狭まるものの意外に「レンジ」は上下します。つまり純粋なボックス相場にはならないことも多いのです。それでいて値幅は小さい。つまり、意図した方向に動かないと「ジリジリ損失が広がる」ことになりかねないわけですね。 そして、持ち合い相場から抜け出すときにはその「方向」を読むことはほぼ不可能でしょう。三角持ち合いでは思わず値幅を狭める方向にポジションを取りたくなりますが、「方向感」がないから持ち合いになるのであって、持ち合いに煮詰まっていく過程にある「下値切り上げ/切り下げ」は今後の値動きを示唆するサインにはならないと見るべきです。 ただ、持ち合い相場というのは比較的「落ち着いた」環境で新規の取引を始められるという利点はあります。ロスカットの水準も読みやすいですから、一種のギャンブルとして現在のレンジのすぐ外にロスカットを置くローリスクハイリターン(ただしリターンを得られる確率は低い)の取引を狙うのはありかもしれません。 気晴らしの遊びとしてやるなら良いですが、収益の積み上げを狙うなら持ち合い相場には下手に手を出さない。これが「つまらない損」で収益を削らないための大原則だと思います。 |