レバレッジ取引

レバレッジとは、金融取引などで自己資金に他から調達(借り入れ)した資金を加えて自己資金以上の資金で取引を行い、資金効率を高めること。自己資金と同額の借り入れを行いレバレッジ投資を行うと、単純計算で損益は2倍(レバレッジ2倍)となる。

レバレッジで資金効率をアップ

たとえば、自己資金100万円で取引を行う場合、本来なら100万円分の取引を行うことになる。しかし、自己資金に借り入れ金100万円を加えて(あるいは自己資金100万円を担保に200万円を借り入れて)200万円分の取引を行えば、レバレッジを2倍に高められる。この場合、取引による損益も2倍となって資金効率が向上する。

金融取引の世界では、株式の信用取引や商品先物取引、為替証拠金取引(FX)、CFD取引などがレバレッジ取引に該当する。これらは、いずれも一定の証拠金(自己資金)を積めば、証拠金の数倍以上の資金を借りて取引を行える。

高いレバレッジをかけて本来の自己資金を大きく上回る取引を繰り返す投資(投機)手法は、相場のかく乱要因ともなる。特に高いレバレッジで一方的な売買を仕掛けるヘッジファンドが危機を拡大させた2008年の金融危機以降は、レバレッジ取引に制限を加えるべきだ、とする規制議論が高まっている。

日本では個人投資家がFXで高レバレッジの為替取引を行い破綻する事例が目立ったことから、2010年には個人向けFX取引にレバレッジ規制が導入された。

荒れる相場の高レバレッジは破綻への道

レバレッジをかけると、損益が拡大するため大きな利益を得られる可能性がある反面、大きな損失をこうむるリスクもある。また、金融市場の動向によっては他から借り入れる資金にかかる金利が負担となる場合もあるため、レバレッジをかけて保有しているポジションに関しては、慎重なリスク管理と冷静な損益計算が重要となる。

特にボラティリティの高い荒れる相場では、高レバレッジのポジションが一瞬にして巨額の損失を抱えるリスクを含むことを忘れてはならない。