MBO(経営陣による株買収)

MBOとは、株式会社の経営陣が自社の株式を取得し、経営の主導権(株式会社の所有権)を確保すること。

外部の株主の意向に左右されない経営を実現したり企業買収の防衛策として行われる他、子会社の経営陣がMBOで株式を取得し独立(暖簾分け)することもある。上場企業の場合でも、TOB(公開買い付け)で個人投資家や機関投資家の株式の取得を試みて一定数の確保に成功すると、残りの株式についても株主の意向によらず強制取得が可能になる。

ただ、一度株式を公開して一般の投資家から資金を集めた企業が一方的なMBOで上場廃止となる例が多発して、株主利益の保護の観点から問題になっている。
特に、相場の低迷時にTOBを行うことで公開時の株価よりも大幅に低い株価で強制的な買取を行う企業に対しては、訴訟が起こされることも。

株価の低迷で資金調達手段としての上場維持の意味が薄れたり、「物言う株主」の影響力が強まったりする状況で、上場企業のMBOは増加して来た。ただ、こうした動きは資本市場の縮小にもつながるため、2011年2月には東証の社長がMBOの増加に不快感を示すなど、何らかの規制や自主努力が求められる可能性もある。