ナンピン買い

ナンピン買いとは、保有する株式の株価が下がって損失を抱えた時に追加で買い増して損益計算上の購入単価を下げる手法(ナンピン買い)。将来、株価が上昇した場合は平均の購入単価を下げた分利益を出しやすくなる。

ナンピン買いで膨らむ損失

ただし、長期的な下落局面でナンピン買いを続けると「今より高い株価で購入した保有株数」を膨らませることになるので損失がさらに拡大する。相場の格言で「下手な難平すかんぴん」と言われるとおり、ナンピン買いには冷静な判断が必要。株価が下落し始めたら、相場環境の変化や企業固有の悪材料がないか、感情を廃して検討したい。

現物取引において、配当などを目的に長期的な保有を前提とする場合は、株価が低下した段階でナンピン買いを行い買い増すことで結果的に高い投資効果を得られる可能性もある。一方、反対売買の期限がある信用取引においては、ナンピン買いを続けることで株価が回復しないまま損失が拡大し、その間に追証などでさらに苦境に立たされかねない。

株式の取引において重要なのは、「その株を(過去に)いくらで買ったか」ではなく「今後の株価上昇に期待が持てるか」である。損失が膨らむと感情的になって冷静さを失うことがあるが、「(同じ株にこだわって)損を取り戻す」ことより「別にもっと儲かる株」を探す発想も必要だろう。

企業の経営や財務状況が悪化して「今の株価」が割高になっているのなら、ナンピン買いではなく損切りをすべきである。