システムトレード

システムトレードとは、アルゴリズム(判断基準を数式化し取引を行う手順)によって自動化された取引。シストレとも。
システムトレードでは、コンピュータが自動的にデータを取り込み、プログラムによって売買の判断を行って金融市場(または相対取引を行う取引業者)に発注する。

現在では多くの証券会社が専用システムやAPIを提供し、株式、為替、デリバティブ、商品先物など様々な金融商品を対象とするシステムトレードが可能になっている。また、相場の値動きのみで発注を行う簡単なアルゴリズムであれば、Webブラウザで基準価格などの条件を設定して自動取引を行える証券会社も多い。

システムトレードは、人間の「価値(と感情)判断」ではなく「事前に定義されたアルゴリズム」によって取引を行う。そのため、「想定外」の状況には対応できず損失を重ねる可能性もある。人間であれば「経験」「勘」で異常を察知し取引をとめる場面でも、アルゴリズムで動くコンピュータにはそれは望めないからである。

一方、人間の感情(損失を「挽回」すべく不利な状況で勝ち目のない取引を続けるなど)を廃することが出来るため、アルゴリズムで規定する以上のリスクを避けることが出来るという点では、損失の拡大を防ぐリスク限定の効果が高い。「もう少し」「もしかしたらまたあがるかも」といった「執着」「願望」に左右されず、「システム」によって自動的に損切りが行える上に、事前に(冷静な判断によって)分散投資の割合を決めておくこともできる。

ただし、システムトレードは、一定の取引回数をこなすことが前提となるため売買対象の選定には細心の注意を要する。常に取引が可能な流動性、そして注文時の想定価格とかけ離れた価格で約定することがない一定の価格安定性がなければ、システムトレードは有効に機能しない。

システムトレードのためのソフトは、無料のフリーソフトから高価な特殊ソフトまで各種あるが、他人の開発したシステム、特に出所が不明なソフトウエアを使って取引を行う際は勝手に意(設定)に反した取引が行われないか、常に確認すべきであろう。